社会評論家・芹沢俊介氏の発言(H12.2.8 産経新聞朝刊・社会面)
「自分が自分でいいという安心感、自己肯定感を持っていないように感じられる」
「本当の愛情を注がれた子供は自己を肯定する力がある。それがないと常に不安で犯罪に走るケースも多い」
「自分が自分でいいという安心感」つまり「自信」と言っていいでしょうが、これはつくるのが本当に難しいものです。普通に暮らしている人でも「自分に自信がある」と言える人はそう多くはないでしょう。
しかし、岡村容疑者などは「自己肯定感」に関してはポーズにしても持っています。なぜなら自分の行った犯罪行為を肯定しているのですから。東京池袋の通り魔(昨年の事件)にしてもそう。「腐ったキャベツは殺してもいい」と平気で言えるのですから。
しかしこれは理性のレベルで考えていることです。他の人間より自分は優れているという思考には、何の裏づけもありません。
「本当の愛情を注がれた子供は自己を肯定する力がある」などというのは嘘です。愛情を注がれることは、自分を創るため(自立するため)の最初の一歩になります。それがなければ安心してトレーニングを受けることができません。だから最初に守ってもらうための愛情が必要なのです。
芹沢氏も「愛情」とは何なのかが分かっていません。子供というのはモラトリアムの時期ですから、その間、生かしてくれる相手が必要です。この生かしてもらうことが「愛情」(衣・食・住・守ってもらう)です。
「それがないと常に不安」、当たり前のことです。ではなぜそういった人間が犯罪に走るのか、説明できるのでしょうか。この因果関係が明らかにされていない限り、彼の言っていることもまた科学ではありません。
マスコミが本当にしなければならないことは、「子供を自由にさせろ」と言い続けているカウンセラーに対し、「自由にさせたからこんな子供ができたんだ」と、その責任を追及することです。
カウンセラーはすぐに「親が悪い」と言いますが、そんなことを言ってみても何も始まりません。肝心なのは問題のある子供自身を変えることです。
(戸塚 宏)