Q21 登校拒否ってどういうものですか?

色々なタイプがあります。典型的な例をあげましょう。

中学1、2年生の男子。ある朝、学校に行く時間になって「頭が痛い」「お腹が痛い」「熱がある」と言いだします。病気には見えません。熱を体温計で計ると、ほとんどないか、あっても微熱程度です。ただ、親としては心配なので、大事をとって休ませます。すると、あとはケロっとして、マンガやテレビゲームで一日を過ごします。夕方にはすっかり元気になり、「明日は学校へ行く」と言うので、家族も安心します。

ところが、翌朝、学校へ行く時間になると、また、頭が痛い、お腹が痛い、熱がある、と言います。そういうことが何回か続くので、ずる休みではないかと思って無理に行かせようとすると、引きつけを起こしたりします。

最初のうちは、特定の曜日に行ったり、特定の科目だけ出席できたりするケースもありますが、やがて全く行けなくなります。

Q22 それって病気ですか?

一般論としては、「心の病」ということになります。精神科や心療内科では、「自律神経失調症」、「心身症」、「神経症」などと診断されます。

しかし、自律神経失調症というのは「自律神経の調子が悪い病気」、心身症に至っては「心と身体の関係した病気」といっているにすぎず、本当の原因を特定したことにはなりません。本当の原因が分かっていれば、例えば、脚気(かっけ)のように、「ビタミンB1欠乏症」という正しい病名があるはずです。

後に説明しますが、直接の原因と認められる身体的疾患はないものの、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患が多く見られます。これは大変重要なことなのですが、分析ばかりして、人間を全体として診ようとしないこれまでの西洋医学では、そういうことにあまり関心が払われていません。

Q23 登校拒否って外国にもありますか?

外国にもありますが、日本のように多く、また急速に増えている国はありません。

Q24 登校拒否って、文字通り「登校を拒否している」のではないんですか?

英語では「学校恐怖症」(school phobia)と言い、強迫神経症の一種と見なされています。「登校拒否」という字面(じづら)だけを見て、「積極的、主体的に、学校を拒絶する」という意味にとるのは全く間違っています。ところがそういう意味に解釈して、勝手な教育論を展開したりする人が少なくありません。

ある映画監督が、テレビの討論番組で、「かつて学校に対する不満を表現する手段として学生運動というものがあった。今はそれがなくなって、子ども達の登校拒否運動となった」などという、とほうもない大ボケ発言をしていたのは、その良い(悪い?)実例です。

Q25 登校拒否の子ってどれぐらいいるのですか?

平成11年の文部省の調査では、小学生と中学生を合わせて13万人以上です(30日以上休んだ子)。この統計数字は、学校がしぶしぶ認めた「ひかえめな数字」ですから、実際にはもっと多いはずです(学校側は、病欠扱いにしたり、訪問学級を出席とみなすなどの便宜的手段を使って、登校拒否児の数を減らそうとします)。私達は、予備軍を含めれば数十万人に達するだろうと見ています。

登校拒否は中学生になって問題化することが多いのですが、最近は低年齢化し、小学校低学年や幼稚園でも増えています。

Q26 登校拒否が増えているのは、いじめや管理教育のせいですか?

学校でのストレスがきっかけで登校拒否になる子は確かにいます。

しかし、実際に登校拒否になるのは何十人に1人です。同じクラスで同じストレスを受けていても、登校拒否になる子とならない子がいるのは、その子が「弱い」からです。そして、その弱さは、自律神経失調症や心身症を引き起こすような「弱さ」です。つまり本人のせいです。

従って、いじめや管理教育が原因ではありません。

Q27 登校拒否の子は、その後どうなるのですか?(その1)

小中学校は義務教育で、留年されては困るのであらゆる手段で登校拒否児を卒業させてしまいます。当然、高校に入学できない子が出てきます。また、高校や専門学校に入学しても続かないことが多く、(今度は義務教育ではないので)すぐに退学となります。高校中退者が毎年10万人も出るのは、主としてこのためです。

いずれにせよ家でぶらぶらするだけの「無業者」になります。その多くが犯罪予備軍と言ってよいでしょう。奈良県・月が瀬村で女子中学生を車で跳ね、殺した25歳の男もその1人です。

神経症の症状がひどい場合、精神科に入院させられてしまうケースも少なくありません。今、日本の精神科のベッド数は諸外国に比べてとんでもなく多くなっています。

Q28 登校拒否の子は、その後どうなるのですか?(その2)

登校拒否を長く続けていると、色々な行動異常が現れてきます。まず、自分の部屋に閉じこもってテレビ・ビデオ・ゲームばかりやっている子は、急速に「夜型」になります。深夜3〜4時頃まで夜更かしをし、起きてくるのが午後2〜3時頃になり、昼夜逆転します。食生活も不規則で、肥満して顔色が悪くなってきます。

そういう状態が1〜2年続くと、感情が不安定になって、周囲に当たり散らしたり、物を壊したりするようになります。やがて、母親や父親に暴力をふるうようになります。これが、家庭内暴力です。

そして、登校拒否と家庭内暴力に密接な関係があるように、実は、無気力・喊黙(かんもく)・非行なども、「心の病」として共通するものがあります。これらをまとめて『情緒障害』と呼びます。

Q29 『情緒障害』って何?(その1)

情緒障害とは、「心の防波堤が決壊しやすい状態」のことです。
学校にはイヤなことが色々あります。学力試験・体育の授業・給食・友達のいじめ・担任の先生が嫌い…、等々。こうしたことがイヤで学校に行きたくないと思った経験は、誰もが持っているはずです。ただ、普通はイヤだと思いながらも学校に行ってしまうものです。

ところが、このほんのちょっとしたことを乗り越えることができずに学校を休んでしまうと、今度は休んだこと自体が大きなストレスになって、一層行きにくくなります。学校を休んだこと自体が理由になって学校を休むことになるわけです。

Q30 情緒障害って何?(その2)

「心の防波堤が決壊しやすい」ことは、現代っ子の色々な問題につながっています。中学校で登校拒否が始まり、高校を中退した子のことを考えてみて下さい。
アルバイトや就職が長く勤まらないことは言うまでもないでしょう。毎日、家でぶらぶらしていてもすることがありません。行く所といったら、ゲームセンターかパチンコぐらいのものです。

そういう状態で非行グループなどに誘われると、ずるずると一緒に行動してしまいます。やがて、シンナーや覚醒剤に手を出すことになります。また非行グループが犯罪に走ると、(心の防波堤が決壊して)とめどなく凶悪化します。

一方、落ち込みやすいタイプの子の場合は、自殺することもあります。
エネルギーがみなぎっているはずの青春のさ中に、生きる気力を失って、取り返しのつかない行動に走るのも心の防波堤の決壊なのです。

Q31 非行ってどういうものですか?

集団で万引きをしたり、シンナーを吸ったり、バイクを乗り回したりという「反社会的行為」をします。

Q32 非行と不良は違うんですか?

目的が明らかに違います。不良は自分の利益(物欲・性欲・名誉欲などを満たすこと)を目的としていますが、非行は“群れをなす”ことを目的とします。それは、1人でこっそり万引きやシンナー等をすればいいのに、あえて集団で行うところ、バイクに乗りたければ1人で乗ればいいのにあえて集団で乗り、しかも大声で騒ぐところを見れば分かります。

Q33 なぜ“群れをなす”ことを求めるんですか?

人間の本能にあるからです。昔から人は1人では生きられず、群れを作り、支え合いながら生きてきました。現代社会では親友がその役目を果たします。ところが、今の子ども達は友達はいるけれど親友がいないという子が多い。その状態が彼らを不安にさせ、その不安を取り除くために非行をして群れを作るんです。

また、アイドルの追っかけをするのも同じ原理です。アイドルと自分とで群れを作ろうとしています。

Q34 非行は直りますか?

非行を直すには、親友を作る能力、つまり“群れをなす”本能を強くしてやればいいんです。これはトレーニングでできます。

Q35 登校拒否や非行などはいつ頃から表れたんですか?

日本が先進国の仲間入りをし、急速に豊かになり始めた1970年代に表面化しました。きしくも、こういった問題は先進国でしか起きていません。

Q36 そのような、いわゆる教育荒廃はなぜ起こったんでしょう?

よく「教育が悪いから」と言われますが、これは間違いです。なぜなら、この現象は教育水準の高い先進国でしか起きていないからです。もちろん、教育の問題がないとは言いませんが、根本的な原因は脳幹が弱くなったことです。

Q37 教育の問題って何ですか?

最も大きいのは、戦後民主主義からつながる平等主義と、人権思想を背景にした子供の自主性を尊重するという風潮でしょう。競争の場を奪われたことで子どもの意欲はそがれ、何でも思い通りになることで非常に個人主義(利己主義)の子供ができてしまいました。

Q38 情緒障害という言葉はどこからきたんですか?

英語の「エモーショナル・ディスターブト・チルドレン」の訳です。しかし、「エモーション」の本来の意味は「情緒」ではなく「情動」。「情動」とは本能のランクにおける感情のことで、実はこの言葉そのものが「本能がおかしい」ということを指摘しているのです。

Q39 情緒障害に陥りやすい環境ってあるんですか?

情緒障害と言われる子どもの多くは豊かな家庭で育てられており、父親の存在が薄いということが言えます。欲しい物が手に入り、自分の意見が父親のそれより優遇されてしまうような家庭に、この問題が起こりやすいようです。

Q40 我が子が情緒障害になってしまったら、どこに相談すればいいでしょう?

精神科に相談した場合、薬がもらえたり、注射を打ってもらえたりするかもしれません。これらは脳に直接作用しますから、副作用の心配をして下さい(医者は大丈夫と言いますが…)。

カウンセラーに頼れば、「自由にさせてあげなさい」と言われるかもしれません。自由にさせ続けた結果、手におえなくなった子どもがよくスクールに来ます。

スクールでは脳幹を鍛えるトレーニングを行い、それによって直します。




Q&A61〜80