2002年10月21日(月)    メッキが剥がれる

普段なら月曜休みの戸塚ヨットですが、この日は久々にいい風が吹いたため、朝から移動の準備です。ただ、前日38.6℃の熱を出した曽我君(22歳、無気力)は訓練を受けられません。本人はとても悔しがっています。というのも、最近、入校時期の近い中川君(18歳、無気力)と、再入校の時期が近かった赤木さん(42歳、もと引きこもり)と、ウインドサーフィンのレベルアップを競り合っているからです。

赤木さんはスクールにいた時間は3人の中で最も長い。でも、年齢が高いため怪我も多く、その上家に帰っていた時間も長かったため、あまり訓練になっていませんでした。それが、今年の夏に再入校してから、結構訓練に前向きになってきたのです。それもやっぱりライバルがいたおかげかもしれません。とにかく3人はレベルが近いため、「我先にレベルアップ」とそれぞれが野心を持っているようなのです。

ウインドのレベルを上げるためには体力も必要。といったわけで、必然的に、3人とも筋トレにもかなり熱心。いい循環です。

それはいいのですが、曽我君について、最近よくない評判も出始めました。入校当初、頑張り屋で真面目な彼は皆からも「いい」と思われていたわけです。でも最近、コーチからの指示を「ハイ」と聞きながら、なかなか行動しないといった態度が現れてきました。段々横着になってきたというか、手を抜いてきたというか。でも、もしかしたらそれこそが、本来彼の持っている姿なのかもしれません。

家では「よく言うことを聞くいい子」として、学校では「優等生」として育ってきた彼。でもそれは常に虚像だったのかもしれません。スクールで24時間集団生活をしていく中で、徐々にメッキが剥がれてきたのかも。いずれにしろ、これからが正念場です。その、最も弱い部分を直していかねばならないのです。

また、彼と同様にメッキが剥がれてきた(?)のが栗田さん(34歳、無気力)。入校当初は、やっぱり真面目でよく言うことを聞くため、皆からもすぐに信頼感を得ました。ですが、段々と言うことを聞かなくなってきたのです。上の者の言うことは聞くが、下の者の言うことは聞かない。そして、「僕は他の奴らとは違う」といった、人を見下すような態度も見られると。

こういう姿勢の後によく来るのが、「やっぱり僕にはここの訓練は向いていません」などという発言。以前、戸塚校長がよく「お前は何様なんだ」と言いたくなると言っていましたが、これも無気力系の人の訓練過程でよくある発言です。特に、入校前にエリート視されてきた生徒には尚更起こりがち。2人には、こんな態度が出なければいいのですが…。

成人の訓練はもともと難しい課題がいっぱい。でも、是非成し遂げて欲しい。今後の2人の成長過程が本当に気になります。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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