2002年11月1日(金)    地平君脱走 その2

先月5日に初めて脱走を試みた地平君(24歳、無気力)、ついに2度目の脱走を試みてしまいました。時は真夜中、トイレの中からガタガタという音が…。不審に思ってコーチが行ってみると、ダウンジャケットを着た地平君が工具を持って立っていたそうです。おまけに靴まで用意して。でも、彼は「何をしている」とコーチに問われた時、かたくなに「クモの巣を掃除していました」と答えたそうです。ならばなぜダウンジャケットを?なぜ靴を?

その晩はそのまま寝かせ、朝になると彼自身から告白してきました。「逃げようとしていました」と。理由は「家の人と話がしたかったから」。話をする機会など、入校までに何百回、何千回もあったでしょうに。まさしく、典型的な"言い訳"でした。もちろん、本音だとも思います。

また彼は、こんなことも話したそうです。「逃げてもどうにもならないと、頭では分かっている。でも、衝動的に逃げたくなる」と。これもまた、正直な感想だと思います。彼が工具を準備したのは2日前。衝動的に逃げたくなって準備したものの、実行に移すのはためらわれたのでしょう。彼は初めての脱走の時も、どうやら自分から帰ろうとしたところだったようです。

「行きつ、戻りつ」――この言葉が、彼の今の心境に1番ぴったりくるのかもしれません。「逃げたい」、でも「頑張って自分を変えたい」。今はまだ、「自分を変えたい」気持ちが勝っているのかもしれません。だから完璧な脱走ができない。これがちょっとバランスを崩し、「逃げたい」衝動が増した瞬間に行動すれば、もっと上手く逃げられるのかも…。できればそんな風にならず、地平君にも誘惑に負けずに頑張り抜いてもらいたいです。

この時、新人の本条さん(15歳、非行)は、「5年くらいたって、ここ(スクール)でコーチになれたら脱走生をたくさん捕まえたい」などと話していたようです。入校してまだ1週間。頼もしいというか、何と言うか…。もちろん、そうなってくれるとコーチ陣も大助かり?


※文中の生徒名は全て仮名です。

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