2002年8月29日(木)    柳田君の「お預け」延びる

火・水・木曜と、合宿所では電話からもれ聞こえるほどいい風が吹いています。「ゴーゴー」といった感じ。児玉・吉澤・大本・榎本といったレース参加メンバーはもう、"水を得た魚"です。特に最近の榎本君(16歳)は前向きで、朝からどのセールを張るかそわそわしっ放し。防波堤から飽きずに海上を見つめ続けます。

登校拒否で入った彼は、入校当初は無気力で何に対しても興味のない顔をしていました。それが6ヶ月経った今ではどうでしょう。ウインドサーフィンをする時の嬉々とした表情。今まで、ウインドサーフィンにハマる非行ばかりを見てきた私としては、予想外の展開に驚きです。

不登校の子も、それなりには面白くなりますが、ああまで嬉々としてはいませんでした。それに、まず不登校の子の方が進歩が遅く、短期間に速くなることがなかったのです。でも、榎本君はコーチも気づかないうちに進歩していたみたいで、あっという間にレースに出場できるまでになっていました。今でなすっかり「スピード狂」だとか。

小杉コーチに言わせると、「彼は意外と吹っ切れやすいようだ」との事。戸塚校長がよく言っていた、「開き直る」ということですね。「"ふてくされる"奴は伸びない。やってやるもんか、となるから。でも、"開き直る"奴は伸びる。やってやるか、となるから」。彼はまさに、「やってやるか」と腹をくくった心境なのでしょう。こうなると、もう脱走したりする心配はまずありません。

さて、皆がこうして"水を得た魚"のようになっている時、レース参加組で1人だけ訓練に参加していない子がいます。柳田君(高1)です。彼は、児玉・吉澤が学校の宿題を抱え、徹夜をしていたのを手伝っていました。でも、本当は1番多くの課題を残していたのです。それがコーチにばれ、徹夜どころか昼間もずっと課題消化に当てられ、全く訓練「お預け」になっていました。

そして要領のいい児玉・吉澤はそれぞれの宿題を完了。火曜からはもう、海に出ています。残されたのは柳田君1人。しかも「ゴーゴー」いう風ですから、家の中に居ても落ち着いて勉強などしていられなかったでしょう。ついに26日、そうっと海に出ようとしたのです。その矢先に「グキッ」っと足をくじき…。これで柳田君にも諦めがついたでしょう。しっかりと課題消化のため、頑張って欲しいものです。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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