2003年6月10日(火)    合宿所便り―その11―

今朝は曇り空。いよいよ入梅も間近で、「きょうの風を逃してはならじ」と、慌しい一日が始まりました。山口コーチの、「風があるうち、できるだけ練習する」の言葉通り、風はいつやんでしまうとも限らないからです。

合宿所の人達は、コーチも生徒も、常に天気予報に最大の関心を払っています。それも、一般の人が考えるように雨が降るかどうかではなく、風が吹くかどうか、風速はどの程度か、風向きはどうかなどと、細かくチェックします。風によって、その日の行動(訓練)内容が決定されるのです。

慣れた生徒達はよく、「今日はどれくらい吹きますか?」と聞きに来て、風が強そうだと「よっしゃあ!」と張り切り、セールサイズやボードの種類を選択し始めます。ある程度ウインドが上達すると、風が強い方が面白くなるので、余計風が気になって仕方がないのです。

今朝は早くから東の風が吹いていて、合宿所の前の海は波が立っています。
今日は矢作川に移動が決定。9時から各自の荷物(タオル、ウェットスーツ、ブーツ、ハーネス等)を用意して、トレーラーに道具を積み込み、昼食を持ってさあ出発。風は期待できそうなので、みんないつもより小さめのセールを用意しています。

しかし、着いてみるとそれほど"どん吹き"というわけではなく、6.0uぐらいのセールでいけそうです。さっそくみんなで走り始めましたが、ガスティ(不安定な風)で、いきなり吹いてきたかと思うといきなり風が抜けたり…。つまり、油断するとすぐに飛ばされたり、潰されて、セールの下敷きになったりする(専門用語で「ハエタタキにあう」と言います)ということです。

それでもみんなよく走っていて、午後はマークを打ち、そこをジャイブで回る練習をしました。
ジャイブで失敗し、マーク付近でモタモタしていると、山口コーチ始め、みんなのマークにされてしまいます。水につかって、「さてウォータースタートしようかな」と思っていたら、いきなり突っ走ってくる人がいて、自分の周りをしぶきを上げて走り去りました。これは全くもって悔しいものですが、実力の差は如何ともしがたく、さっさと練習するしかないのでした。

マーク付近で熾烈な戦いを繰り広げるのは山口コーチ、相原君(15歳、元無気力)、文平(長男、高2)。マイペースでマークを大回りする野島君(22歳、元無気力)、地平君(24歳、元無気力)。そして、まだ岸近くでセールアップの練習をする秋吉さん(中2、女、不登校)と林君(32歳、家庭内暴力)。

ハーネスの練習を始めた山本コーチは、ハーネスをかけたばかりに、いきなり吹っ飛ばされたりしています。本当に、始めはとてもやっかいなものなのです。山本コーチによると、ハーネスをかける動作は「カエルが柳に飛びつくみたい」であると、なかなか風流に表現されていました…。

思い切り楽しんで走り、帰るともう5時。シャワーを浴びて、さっそく夕食の準備。みんなお腹ペコペコ。早くしなければ…。

最近、お皿を少し大きくしたのですが、今日はそこに野菜やお肉がたくさん盛り付けられ、"バイキングで取り過ぎた人のお皿"のようになってしまいました。が、もちろんそれで文句を言う人はありません。たくさん食べてくれるのは気持ちがいい。

夕方から、「支援する会」の延武さんと辻さん登場。久々の若い女性に、みんな少しウキウキしているのでは?
夕食後は、和やかに今日のウインドのビデオを見ながら、各々自分の欠点をチェックしています。小杉コーチの解説に頷きながら、楽しくも、真剣な一時を過ごしました。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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