2003年6月12日(木)    オーストラリアのTV取材

MAMIです。久しぶりにテレビの取材が入りました。といっても、日本ではなく、オーストラリア放送協会(日本のNHKに相当)からです。4年ほど前の英字新聞「Christian Science Monitor」に掲載された戸塚ヨットの記事を日本支局のディレクターが読み、スクールの教育に興味を持ったからだそうです。

――昨今の日本は、ゆとり教育が推進される一方で、学力低下だけでなく、引きこもりや不登校といった日本独特の社会問題に悩まされている。そんな中で、改めて"厳しい"教育への関心が高まってきているが、"ゆとり"と"厳しさ"、果たしてどちらが必要なのかを検証してみたい。――という企画です

この、"厳しい"教育の代表例が戸塚ヨットというわけ。"ゆとり"の方では、フリースクールを取り上げる予定だそうです。5月に事前接渉がありました。
オーストラリア人との打ち合わせなんて初めてで、緊張しましたましたが、通訳となる日本人スタッフの助けを借りて話し合いました。納得した私はさっそくスクールに報告。即、取材オッケーとなったのでした。

しかし前日、「明日は到着が遅れそう。訓練開始を遅らせてもらえないか」と連絡が入りました。「またしてもマスコミは自分達の都合で訓練スケジュールまで動かそうとするのか…」と思いましたが、話し合いの結果、このわだかまりはきちんと解消されました。
そして今日は取材当日。前々日にスクール入りした私は、午前7時の起床前から堤防で取材スタッフを待ちました。やってきたのは、オーストラリア人3名、日本人2名。手早く器材を運び出し、7時の整列、点呼から撮影開始です。ただ、空はあいにく雨模様の曇り空。ちょっと撮影向きではありません。

テレビカメラが入っても、いつもと同じ体操のメニューを、黙々とこなす生徒達。オーストラリア人カメラマンは、興味深々でどんどん近づいて撮影をしています(もちろん、放映時にはプライバシー保護のため生徒の顔は出ませんが)。

さて、朝食が終わり、いつもなら海上に出るところですが、今日は風がないため屋内で武道の練習をすることになりました。道衣をビシッと着こなした山本コーチが出現。この姿に、スタッフは「おっ」となりました。まさに、"ニッポン、ここにあり"といった感じがしたのでしょう。

訓練の内容は、木刀を使った真剣(?)勝負。木刀が出てきたことにも、カメラマン達は大喜びでした。いわゆる、「絵になるネタ」というわけです。
張り詰めた空気の中、1人ひとり、木刀を構える山本コーチの前に立ち、まさに、木刀が振り下ろされん時に「ストーーーップ!!」と声を張り上げます。この、「ストップ」という気合いだけで、相手の動きを止めさせる練習です。生半可な発声では、制止力になりません。

最初は山本コーチの気迫に圧倒され、声も出せなかった生徒達が、徐々に真剣な目になっていきます。張り詰めた静寂の中に伝わる、実に"厳しい"雰囲気。打ちかかる山本コーチの突然の大きなゼスチャーと「ストーーップ!」という生徒の声が、取材人を大いに喜ばせます。「これなら言葉が分からなくても通じる!」

昼休み、今度は山口コーチと生徒へのインタビューです。生徒代表は相原君(15歳、元無気力)。私がそばにいると答えにくいだろうと思い、このインタビューは敢えて聞きませんでした。彼がどんな本心を語ったのか、ちょっと気になるところです。でも、カメラやライトに囲まれても、実に堂々と対峙していました。

午後は雨が上がり、風も出てきたので海上訓練を開始。スタッフ達は、たった一日の取材で、武道の訓練とウインドサーフィンの海上訓練の、両方をカメラに収めることができました(後から「本当にラッキーでした」と報告をもらいました)。最初は真剣みが足りないかと思われた取材でしたが、結局、厳しいタイムスケジュールだったようなのに、ギリギリまで熱心に取材して帰られました。

さて今回の取材、残念ながら日本では放映されません(今秋、オーストラリア国内で放映予定)。ですが、放映後のビデオは送ってもらえることになっています。対比するフリースクールの様子も含め、今回の取材がいったいどんな形にまとめられるのか、楽しみな気がします。ビデオが来たら、上映会をやりましょうね。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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