| 2003年6月15日(日) |
合宿所便り―その14― |
鍋磨き競争
昨日に引き続き、梅雨らしい一日。毎日セール修理ばかりではつまらないので、午前中は台所でお鍋磨きコンテストを開催しました。すすで汚れたお鍋も気掛かりの1つでしたが、なかなか全員で取り掛かる機会がありませんでした。合宿所のお鍋は普通の家庭用とは異なり、とてもとても大きな業務用の物ばかりで、いずれ劣らぬ汚れぶりです。
みんなで台所に集まり、いっせいにお鍋を選びます。そして洗い場を確保し、洗剤、ブラシ、金ダワシ、スポンジ、へら、etc…、何でも使えそうな道具を探し出して工夫するというルール。腕に覚えありの人も、まったくの素人さんも、一緒になってスタートです。
水道のある場所を取ったり、取られたり。大きなボールに水を張り、その中でお鍋を洗う人、金ダワシを分け合う人…。台所は異様な熱気に包まれました。
1番に「できました!」と声が上がったのは田口君(31歳、元引きこもり)。1番大きなお鍋をピカピカに磨き上げ、みんなの喝采を浴びて、お鍋を片手に持ち上げて笑っています。彼は力持ちなのです。
さあ、田口君のお鍋をお手本に、みんな改めて自分のお鍋に向かいます。林君(32歳、家庭内暴力)は全然力を入れていないので、まだまだ先が長そうです。自分では「できた」と思った人でも、田口君が「まだまだやれる」と判断すると、再度取り掛からねばなりません。先輩達は、意地とプライドをかけて黙々と磨き続けています。見ている山本コーチと私も、「何だかやってみたくなりますねぇ」と、一緒になって磨き始めてしまいました。
さあそうなると、もう夢中。山本コーチも丸いケーキ型をピカピカにして下さいました!この調子で、お鍋もやかんもガス釜も中華鍋も、驚くほどきれいになりました。その代わり、みんなの手は汚れ、顔と体は汗だくです。みんなの予想以上の働きぶりに、「なあんだ、本当はできるんじゃないの」と、半ば呆れながらもついご褒美を出してしまいました。
ところが、いざお鍋がピカピカになってしまうと、みんな使うのが惜しくなり、相原君(15歳、元無気力)も「オレの磨いたやかんは使用禁止だ」などと言い出します。今後は"鍋ヲ汚シ、カツ、ソレヲ放置セル者ハ、極刑ニ処サレルモノトスル"のでは?
武道の自主トレ
夕食後、7時からは山本コーチによる武道の稽古。今回は自由参加。こういうやり方は初めてです。夕食後の自由時間という、一日のうちで1番のんびりした時間を、進んで武道の稽古に当てようという若武者志願は、果たして誰と誰か?
曇り空とはいえ、まだ明るい6月の夕暮れ、シャワールーム前のデッキの上には、山本コーチの純白の道衣姿が浮かび上がっています。そこへ現れたのは、文平(長男、高2)と晋平(次男、小6)。いざ稽古が始まると、その周りには真剣な空気が漂い、そこが特別な場所のように見えてきます。
きっと、食事の後片付けで手間取っていたのでしょう。途中から野島君(22歳、元無気力)が加わりました。
あたりは次第に暗くなり、3人の弟子達の姿は影のよう。しかし、1番年下で元気のいい晋平とは対照的に、どこか遠慮がちな野島君。でも、山本コーチの意思確認に答え、はっきりと自由意思で参加すると伝えているのです。もしかしたら、彼も何かを模索しているのかもしれません。
稽古は9時まで熱心に続けられ、みんな、顔を紅潮させて終わりました。
山本コーチは、これからも武道の自主稽古時間(自由参加。強制参加の練習とは異なるもの)を、たまに設けて下さるそうです。これを1つのチャンスとして捉えることのできる、次なる志願者は誰でしょう?
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