| 2003年6月2日(月) |
可児元コーチからの手紙(3) |
福井刑務所にいる可児コーチから手紙がきました。「刑務所」という建物の中で、不自由な事も多いと思うのに、可児さんの手紙はいつも穏やかです。思わず、クスリと笑いたくなってしまうほどに。
どうやら、待ちに待った仮釈放の日が近づいているようです。
――いつもの年と同じく、夏がやって来ました。
4階の部屋から見下ろすと、中庭には真っ赤なバラとピンクローズ、そしてつつじが夏の光を受けて輝いています。
ここへ来て、早くも1年2ヶ月。誕生日も2回も迎えてシマッタ。
罰も受けず、病気にもならず、素性を明かすこともなく、一受刑者として淡々とやってこれたことを嬉しく思っています。
18日前から、10人部屋から待望の個人房(親和寮)に移りました。仮釈放前ということで、色々特典があり(現在8名)、誰でも入ることができるわけでなく、皆の憧れです。まあ、幸運に恵まれたからでしょう。予想としては8月頃では?
仕事は続けており、4月の月給は3,581円でした。
思い起こせば白壁時代(注:拘置所)はずっと一日中独居生活。淳子・洋子姉妹(注:校長の娘さん達)は小学生。送って頂いた運動会赤組での写真、今でも懐かしく思い出せます。
色々ありましたが、過ぎてしまえば夢のよう…。
これからは、面白いことも辛いことも、手ごたえ充分な生き方をしていこうと思います。
今日の昼食はコッペパン。これがうまいんです。そしてここでの人気NO.1、あずきがたっぷりの甘いぜんざい(月2回)が丼にいっぱい。熱いよ…。
コーヒー牛乳パック(小)、ハムきゅうりのマヨネーズ和え、薄切りチーズ1枚。袋入り「あんずジャム」「マーガリン」。しみじみ、ゆっくり味わって食べました。
外の生活では、どんなパンも選べて食べられる贅沢があるのですが、ここでのうまさ感動は、味わっていなかったように思います。恵まれすぎていると、本当の良さが分からないのかもしれません。この気持ち、ずっと持ち続けたいものです。
今、お昼寝タイム(1時間)から起きて書いています。
裏の林から、カッコ―が良く響く声でカッコーカッコと鳴いています。こうした狭い塀の中にも、自然がいっぱいあります。注意していると、色んな事が感じ取れます。
ご機嫌よろしく。ではまた。
可児 熙允
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