今朝はどんよりと曇って肌寒い中、部屋では整列練習の声が響きます。姿勢を正し、まっすぐに相手の目を見ること、しっかり声を出して挨拶することなど、まったく当たり前のことができない生徒は少なくありません。
人から声をかけられても返事をしない。そちらを見ようともしない。人の話を聞く時も、相手を見ていない、常に視線が定まらず、うつむいてしまう。…このような態度では、正常な人間関係は築けません。
合宿所の生活に慣れてくると、私もつい「あの人は本当は優しいところがあるし…」などと、見方が甘くなってしまいます。ですが、"厳しい世間の目"でチェックしなければ、本人が社会に出て苦労することになります。ここは心してかからねばなりません。私とて、本人が嫌な思いをすることを言いたくはありませんが、敢えて率直に苦言を呈することがあります。"母親"なのですから、当然です。
9時からは家事の続き。まず、各自の持ち物を整理します。
2階では、衣類のたたみ方、洗濯物の干し方などの基本講座から。何もやったことがない人達ですので、放っておくと大変です。洗濯機から出したお団子状態の洗濯物を、広げずにハンガーにぶら下げる。あるいは、何日も放置して、カチカチになったバスタオルやTシャツを広げて着る。風に飛ばされた洗濯物を、拾いもせずにそのまま捨てる…。
この、目を覆うばかりの惨状に我慢できず、一から指導することになったのです。その甲斐あって、1階の慣れた生徒達はなかなかうまくやっています。
ところが、持ち物の整理としていると、1階でマンガを発見しました。合宿所はマンガ禁止です。ここにいる間ぐらい、ちゃんと本を読んで欲しいからです。ご多分に漏れず、ほとんどの生徒はゲームとマンガに浸ってきていますので、ここで少しでも読書の習慣を身につけてほしい、と、旧い人間である私は願います。よく未成年の生徒に「ここは禁煙ですか?」と聞かれます。"未青年者の喫煙は、法律で禁じられている"はずではないでしょうか?まったく、何考えてんだか…。
この片付けの後は、いつもより念入りに掃除をしました。棚のほこりを払ったり、たまった新聞紙を束ねたり。しかし、ここでもトラブル発生。急遽、「新聞紙の束ね方講座」を設けることになりました…。ここは"生活塾"でもあるのです。
午後は少し風が出てきたので、ウインドです。が、小雨が降っていて、艤装しているうちに風が弱まり、風向きも変わってしまいました。「まぁ、仕方がない」と、みんなで海に入ると、先程までの東風の小さな波が残り、風向きは弱い北西になり、と、やっかいなコンディションになっています。みんな、乗っては落ち、乗っては落ちで、バランスの練習には最適となりました。
早めに出艇した野島君(22歳、元無気力)と地平君(24歳、元無気力)は、沖にいて風がほとんどなくなってきたので心配しましたが無事帰還。みんなと一緒に浜近くでプカプカ浮かんでいます。そうこうする内、工場の煙は垂直に昇り、旗は死んだように垂れ下がり、まったくの無風になりました。「いい加減、終わりにならないかな」と思いつつ、それでも気を取り直してバランスの練習。そこでやっと終了の合図があり、ゾロゾロと道具を引っ張って浜に帰り、片づけです。
広場で艤装をといていると、傘を持っておもむろに親方(山口コーチ)登場。傘をステッキ代わりに、道具の片づけ方の不備をビシビシ指摘してゆきます。そしてみんなの様子をじっと観察する親方。貫禄があってカッコいい!
夕方からはお客様がいらして、比較的のんびり静かな夜を過ごしました。
|