2003年8月6日(水)    合宿所便り NO.39 「林君、"出世"」

今日は曇り空。夕べから東風が吹いていて、台風の接近を予感させます。久しぶりに、蒸し暑い合宿所での体操とヨガに、みんな汗だくで、言葉少なになっています。

今朝は可燃ゴミを出す日で、木崎湖に行く前の日のゴミも一緒に出さなければなりません。生ゴミのバケツは案の定、悲惨な有り様。うーん、とてもここで書く気にはなりません。ゴミを出して、バケツを洗って、それでも臭くてたまらなくて、床をデッキブラシでゴシゴシしてみたり…。まだまだ後片付けは続くのです。

そうこうしている内に、朝食を仕度する時間が過ぎていて、慌てて取り掛かりました。結局、キャンプぼけと食事係の交代で手間取り、朝食が大幅に遅れてしまいました。

新しく1階の住人になった(新人は2階からスタート。1階に降りるのは"出世")林君は、
「いやあ、洗い物、大変ですよぉ。米も研がなくちゃならないし、全然、暇ないですよ。ハ、ハ、ハ」
と、忙しいのか、楽しいのか…。
「横田さん、この洗剤、また買って来てもいいですかぁ?手にいいらしいんですよ」
「あ、あと、スポンジも新しい方が…。できれば金タワシなんかも欲しいです。鍋洗うのにいいんですよ」
と、洗い物に情熱を燃やしています。
朝食後も、廃油の処理――と言っても、収集場所のドラム缶の中に流し込むだけですが――を手伝ってもらいました。が、そこでもボランティアのおばさん達に、「こんにちはぁ」「失礼しまぁす」と、いたって調子のいい林君。

午前中はみんなで大掃除。しばらく留守にしていた合宿所をきれいにします。しかし、ふと見ると地平君はじっと座り込んだままで、何度も注意されています。何か考え込んでいるのか、ただ仕事をやりたくないだけなのか??

午後はウインド。河口の工事のため、合宿所の前の海には大きな船が停泊中。ウインドはやりにくいのですが、ちょうどいい風が吹いているので、ここで(移動せずに)練習します。でも、やっている途中で風が南南東に変わってしまいました。そのせいでみんな、遠くの浜まで下ったまま帰れなくなり、結局、車で道具を取りに行くことに…。

コーチ達の心配と苦労をよそに、生徒達はウインドを楽しんでいました。林君も、
「いやあ、なんかあ、今日のウインドは解放されたみたいで楽しかったですよ」
と、嬉しそうにしていました。

夕方の台所も、係の交代で少し手間取りました。林君には調理も手伝ってもらうことにして(2階にいる間は手伝わせませんでしたから)、野菜を切ることから始めます。
「大根を拍子木にしてね」と言っても、どこをどう切ったら細長くなるのか、結構大問題。みんな最初、大いに頭を悩ませるところです。「賽(さい)の目」「銀杏(いちょう)切り」「短冊(たんざく)」「千切り」と、あの、コロンとした形の野菜を様々に細工するには、少々工夫が必要です。

こういうことは、単に受験勉強をしてきただけの"秀才君"には特に難しい。実際に色々経験してきた人の方が得意です。ペーパーテストの秀才は、現実問題にはお手上げ。以前、理科系の大学院をやめて入った生徒が、温かいカレーの入った大鍋を、腐らさないようにと熱いまま冷蔵庫の中に入れ、みんなを呆れさせたことがありました。なぜそれがいけないことなのか、本人に聞くと「分かりません」ということでした!?

一方、林君は、「いやぁ、なるほどぉ」と感心しながらも、「えっ!これ全部切るんですか?!」と、大根3分の2本にたじろいでいます。林君にはゆっくりやってもらうことにして、他のメンバーで夕食を作りました。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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