2004年1月26日(月)    合宿所便り NO.83「生きるための"自信"」

紅色濃い沖縄の桜に白味が帯び、花がより開いて、そろそろ散り時を感じさせます。
こちらは寒い日が続いていますが、日中の日差しはとても強く、気温の変化に驚かされます。

ここ沖縄での合宿生活には、河和のそれと異なる部分があります。1つが「朝の体操」。質量ともに、普段の倍以上やっています。まさに、基礎体力作り。それ以上でも以下でもない、筋肉の単純伸縮運動です。でも、ほとんど運動をした事のない訓練生達には、相当に辛いことだと思います。

早朝7時に起き、朝の体操が始まる。筋肉の伸縮運動の合間、生徒達はあまりの辛さに、まるでボロ雑巾のように床に転がる。ほんの一時の休息。今まで味わったことのない、新鮮な一瞬。全ての時間が止まってしまったかのような、静かな時間。「もうこのままじっとしていたい」。律動する体と、割れんばかりに打つ鼓動、荒い息づかい、滝のように流れる汗たちを、彼らはたぶん初めて知ったでしょう。

「嫌だ、嫌だ」と張り裂けそうな気持ちのまま、朝の体操は始まり、終わります。
一方、これを指導している自分は…?彼らの抱えている試練の密度以上に、本気で何かに取り組んでいるだろうか?――いつも自分に突きつけられる疑問です。

しかし、どれだけ辛い体操も、1つのきっかけで辛くなくなります。それは、「腕立て10回できた!」という、以前では考えられなかった事ができた瞬間です。辛くて言い訳していた頃を忘れ、1つの進歩に心から歓喜します。これが「自信」につながります。もしかすると、彼らにとっては、生まれて初めて味わう「自信」かもしれません。
「朝の体操」はただの基礎体力作りではなく、弱音を吐いていた自分を乗り越える、1つのトレーニングです。本当は、実社会に戻った時に直面する問題の方がはるかに大きいのだから、筋トレごときで弱音を吐いてはいられないのです。

この厳しい鍛錬を消化した彼らが河和の合宿所に戻る頃、自分自身を振り返り、大きな「自信」を胸に抱いていてくれたら…。できなかった事ができた時の強烈な感動を忘れず、いつか実社会の問題にも前向きに対峙できるようになってくれたら…。そんな事を願わずにはいられません。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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