2004年2月18日(水)    合宿所便り NO.89「生産の喜び」

今日も風が吹きません。
そこで、人数分のゴーグルを買い集め、再度、瀬底(せそこ)島にダイビンクです。

海の中に潜るとすぐ、目の前を迷惑そうにアバサー(ハリセンボン)が横切ります。そのゆっくりとした動き、必死で逃げる姿はとても可愛らしいです。
こいつがよく浜辺に打ち上げられているのも、逃げ遅れて波に巻かれてしまったから。そう考えるとさらにおかしくなりました。
触ろうとすると、タイヤのように体を膨らませ、針の鎧を逆立てて怒ります。
「本当に"針千本"やー」と、必死の威嚇にも笑ってしまいます。

「ガハハハハ」と海面へ現れ、笑う山口コーチ。片手に何やら掴んでいます。
「サザエがいるぞ」の一声。これでサザエ漁が始まりました。

ここで、男子生徒の活躍が見られます。林君(32歳、元家庭内暴力)、江口君(18歳、元非行)、真木君(中2、元不登校)達は、どれだけ捕れるか競い合っています。
対して、どれだけ頑張って探しても見つけられない女子生徒達。
これが本来の男の力であり、男の仕事です。河童のような江口君は、8個も見つけました。
一番多く採ったのが山口コーチ。やはりコーチは超えられない存在です。それに比べて2個しか見つけられなかった私。情けなくて、大きい顔はできません。

この日の夕食は、「サザエの壷焼き」です。初めて自分の力で生産した、自分の力で採った物は格別においしい。その強烈な印象は、一生忘れることがないでしょう。
自信に満ちた生徒の顔を、密かに羨ましく思う晩餐でした。

『生徒の日報』
「今日、ダイビングでサザエ拾いをしました。サザエ拾いをしたのは、初めてだったのでとても楽しかったです。ひたすら、サザエを求め続けて探していました。サザエがいた時は感動してすぐ採りました。けれども小さかったからがっかりしました。一生懸命探したカイあって5匹つかまえて、夜ごはんに2匹食べました。天然を焼いて食べたので、すごくおいしかったです。また次来たら採ろうと思います」

(編集部注:この海域は漁場ではありません)


※文中の生徒名は全て仮名です。

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