2004年2月2日(月)    合宿所便り NO.85「大人の思いやり」

曇り後雨。強い風が続き、海上訓練に専念する日々。沖縄合宿は、早くも折り返し地点に近づいてきました。2月に入ると沖縄は暖かくなるそうですが、今年はそうもいかないようです。

沖縄での1日の大まかなスケジュールはというと、午前はプライベートビーチでの作業、午後からは海上訓練です。
午前の作業には草刈り機を使いますが、雨の日が続いてなかなか作業ができません。こういう日は、午前中から海上訓練を行います。

海上訓練はウィンドサーフィンですが、自分で打ち込める目標を見つけた訓練生にとっては、楽しくて仕方なくなります。また、海の上では、(うるさい)コーチと訓練生の境目はありません。大人の悪知恵などでは誤魔化しきれない、実力が露わになるからです。要するに、技術が"ある"のか"ない"のか、それだけが問われます。どれだけ口うるさいコーチも、海の上では裸にされ、ちっぽけで無力な人間になります。

さて、新しく個人購入したボードが届き、練習に励む林くん(元家庭内暴力)。
「すみません。浮力が少な過ぎて練習になりません」との訴え。
「誰がそれを選んだんや!道具のせいにするな!」と一喝。
選んだのは張本人、責任転嫁は許しません。

それでも、今ではその軽いボードにも慣れ、乗り出せるようになりました。
そんな彼は最年長の32歳です。
ある日のこと、「林さん、牛乳飲まないの?」と勧める最年少(13歳)の生徒に、「いや、いいよ。成長期の君達が飲みなさい!」と応える彼。その大人の声に驚きました。
彼の思いやりの言葉の意味が通じるはずもない子供達は、無邪気に笑いながら牛乳を飲み始めています。

そういえば、自分もまだ13歳ぐらいの頃、年配の人と食事をすると、何でも多く食べさせてくれたり、 自分のおかずだけ種類が多かったりしました。その裏には、大人からの「思いやり」があったんでしょう。彼らのやり取りを見ていて、その有難さに初めて気が付き、色んな人達の顔が思い浮かびました。自分がその年齢、その立場になって初めて気が付くことが、まだまだありそうです。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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