2004年2月26日(木)    合宿所便り NO.93「最後の練習!?」

ここ沖縄に来て、変わり始めている生徒がいます。それは真木君(中2、元不登校)です。

入校当時は、無知で情けなく、弱々しく、女の子のようで、仲間と何度か脱走を試みたりもしました。しかし、ある事がきっかけで、彼は試練の道を選択したのです。

ある時、スクールに来られた方が彼に質問をしました。
「ここでの生活は辛くないの?」
「自分はここで1年間、根性をつけて強くなります。ここで1年間、頑張ります」と、率直な返答の彼。
「えっ!?それはどうしてなの?」と、理解に苦しむ大人達。
「1度、脱走して家に帰った時、お父さんとお母さんの顔が本当に心配そうだったから」と、彼は決断した時の心境を初めて吐露しました。

海面を滑走する、疾風のような彼。片手で海面に触れ、渋きを散らして戯れています。綺麗な弧を描くジャイブ(風下への方向転換)。いつの間にか、技術はすっかり抜かされていました。

沖縄合宿も来週で最後の1週間です。海上訓練は風次第。吹かなければ訓練できません。この日がひょっとすると最後の強風になるかもしれない…。そのことを訓練生達に告げました。
時間というものは、あるようでないものです。しかも、年齢と共に時間の流れも加速していきます。くだらない事をしている間に年をとってしまう。

「この練習が最後になるかもしれない」
この時間、この一瞬、過ぎてしまえばどれだけ後悔しても、どうにもならないのです。
彼のまなざしに力がみなぎり、かけがえのない一瞬のために、全エネルギーを放射させています。


「配膳!」という声と共に、夕食ができあがりました。
「真木!もうお前の分のご飯は持って行ったよ」と、年上の訓練生が言います。
「ありがとう!」と答える彼。
いつの間にか、自然に声が出ています。数ヶ月前は、ろくに挨拶も返事もできなかったのに。コーチの前だけではない、仲間達の前でです。彼の"普段"に変化が現れました。


※文中の生徒名は全て仮名です。

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