| 2004年3月2日(火) |
合宿所便り NO.95「スコールの朝」 |
薄暗がりの早朝、大豪雨が合宿所を打ちつけています。湿度が高いのでしょう。室内はどんよりとして、私達をぐずらせます。
沖縄合宿、最後の1週間が始まっています。
午前中の海上訓練。この日は波のうねりが強く、波打際で悪戦苦闘する訓練生達。どうしても沖に出られません。それでもがむしゃらに走り出そうとしています。そんな彼らの瞳に映っているのは、沖を滑走する小杉コーチと訓練生の真木君(中2、元不登校)です。
大きな波のうねりも、彼らにしてみれば単なる踏切台。宙を軽やかに飛翔してしまいます。
岸から遠く離れた沖。陽射しが海の底まで照らし、深さも分からない程です。まるで、透明の崖の上に立たされているような錯覚に襲われ、恐怖心があおられます。
そんな大自然と戯れる私達の遥か上空を、戦闘機が轟音を上げて飛び去っていく…。思えば、沖縄は激戦地だったのです。
ある日の近所のオジさんとの会話。戦時中に、本土で日本軍の訓練を受けられた時の話です。
「今でも撃ち方は覚えとるよ。これが寝撃ち、座撃ち。
水兵の敬礼は、艦内だと幅を取るから肘は横に張らない。
本当に若いあの頃は厳しかった。あの5年間は風邪すら引く暇がありませんでした。
毎日、毎日が必死でした。それに比べ、最近の若者は…」
と、絶望の色に染まっていました。
「最近の若者…」「最近の若者…」と、私には、その重みなど本当には想像もできない言葉が突き刺ささりました。
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