「不登校問題」に対する三紙の報道姿勢
朝日新聞
昨年、12万人突破のニュースの際は、朝刊1面・社説・社会面でこの話題を取り上げていました。特に社説では「まず学校を変えよう」と題し、学校のカウンセリング機能充実とともに、学校を楽しくすることが大事と主張していました。しかし、教師の威厳を奪って「友達先生」を大量生産させたことが、学級崩壊を生んだのです。朝日はこのような現場の悩みを知ることなく(知っていながらか)、机上の空論を述べました。
そして今年・平成12年8月5日、13万人突破のニュースは1面から消え、2面へ。文部省の出した「増加率の鈍化を見ると落ち着いたといえる」という見方だけを提示し、社説などでは一切取り上げませんでした。火事は相変わらず燃え続けているのに、「炎の大きくなるスピードが少しゆっくりになりました」と、間の抜けたことをいっているわけです。
読売新聞
昨年は、朝刊1面と社説で扱っていました。社説では、「不登校がタブー視されなくなった社会情勢の変化にも原因がある」として、「画一的義務教育の強制」はいけないが、「学校に行く必要がないなどという風潮が蔓延するのも問題」といっています。「強制」してはいけないが「行かなくていいわけではない」、ではいったいどうしろというのでしょうか。
今年の朝刊1面では、「不登校生の増加率は2%と調査開始以来最小だった」「スクールカウンセラー配置校では増加率が低い」と、まるで文部省の広告塔です。また、今年は社説でも取り上げませんでした。
毎日新聞
昨年、1面と4面で扱っていた毎日は、平成6年からの「不登校生の全児童・生徒中の比率」を表にして載せていました。
この比率の表はなかなか読みやすいものだったのですが、残念ながら今年は取り上げておらず、やはり「増加率が減ったのはスクールカウンセラーの配置が効果をあげたため」と、文部省の提灯持ちをしています。そこで、毎日の資料をもとに、こちらでグラフを作成してみました。増加率は減っても、全児童・生徒の人数も減少しているのですから、不登校が増加し続けている傾向に変わりはないのです。
総合的に、どのマスコミも全く無視していることがあります。それは「子供を変える」という視点です。「学校を変える、先生を変える、授業方法を変える…」すべて、「子供に合わせる」ことばかりをいっています。文部省の「子供の目線に合わせる」という教育方針は、何ら反省しようとしません。
そうではなく、戸塚ヨットスクールが主張するように、子供自身を鍛え、変えていけば、どんな環境でも子供は普通に成長するのだと気づくべきです。戦前の教育環境が今よりいいとは思えません。それでも不登校や非行がこれほど問題になることはありませんでした。環境の問題ではないのです。もっと子供自身に眼を向け、何が変わったのか、何が足りないのかを分析することが必要です。それをしないマスコミの怠情こそが、教育荒廃の真犯人ではありませんか。
(延武眞美 記)