「ういんど」第16号(その2)

2000年1月1日発行





学校の危機!

東京都議 土屋たかゆき

 都は、平成11年から、「学校運営協議会」の試行を始めた。この協議会は中教審の答申(平成10年9月)を受けて実施されるものであるが、簡単に言えば、開かれた学校作りのために保護者、地域の有識者、関係機関、施設の長、教職員、その他学校長の必要とした者によって構成される「協議会」を設けて、学校の運営方針や教育活動への助言を受けることになっている。
 更に、生徒は含めないが、アンケートにより授業等に対する生徒の要望を聞く他、可能な限り協議会の場で、生徒の声を直接聞く機会を設けることとしている。
 つまり、埼玉県の所沢高校で問題になった、共産党とそのシンパが学校を「民主的」に支配した構図を、今度は、東京都が公認して実施しようとするのだ。
 可能な限り生徒の意見を聞くということは、一体何を意味するのか。生徒を政治的に利用しようとする勢力は、ことあるたび、自らの政治的主張を隠すために「生徒の総意」を利用している。国立市における「反国旗、反国歌闘争」を見れば一目瞭然である。


悪用される「意見を言う権利」

 更に驚くべきことに、都は『児童の権利条例』『人権条例』を準備して いる。『人権条例』は総務局人権部が準備しているが、担当者は「準備は進めていない」と言っている。しかし、庁内には「東京都人権推進本部」が設置され、人権の基本的な考え方や方策等について知事に助言する目的を持って「人権施策推進のあり方専門懇談会」も設置されている。同時に『児童の権利条例』も制定される見通しだ。
 この条例には生徒が学校や行政に意見を言う権利も明記されている。この2つの条例と学校運営協議会が一体となった時、学校は無法地帯になってしまう。
 特定の政治勢力と結びついた一部生徒が「意見を言う権利」を盾に、学校の管理運営に注文をつけ、授業内容に「要望」を言う。地域の有識者と称する進歩的文化人がそれに同調した時はどうなるか。形の上では校長は拒否できるが、現在の形骸化した校長では、実際、拒否できない。
 教育庁は「校長は意見を聞くだけ」と弁明するが、現実、都立高校の8割で職員会議が最高議決機関となっていることを考えると、校長は2つの条例と協議会に振り回される。


「人権」「権利」におどらされるな

 人権、権利の洪水になった学校には、教育は存在しない。学校の基本は、生活指導と教務指導であるが、そこには当然のこととして「強制」が伴う。基本的な生活習慣、基本的な学力は生徒を放置していては育たない。
 全ての生徒が、学業と真正面から取り組むなら問題はないが現実は違う。生徒は様々な理由をつけて逃避しようとする。その時に、誤った人権、権利思想が吹きこまれることによって、逃避は無限大になる。
 逃避は、一面楽であり、権利の主張による権威の破壊はある意味愉快でもあるから、それらは無責任に拡大する。拡散した無責任は止めようがない。
 全国の学校を所沢高校のようにしたいのなら別であるが、少なくとも人間として誇りのある生徒、社会常識を備え、ある程度の基礎学力を備えた生徒をつくりたいのなら、こうした誤った政策に反対すべきだ。
 人権、権利と名が付けば内容を吟味しない悪習にそろそろピリオドを打つべきだ。権利の乱用、誤った人権思想は、実は真の権利と、人権を破壊することを知らなければならない。

*        *

 戸塚先生が提唱している教育についても、様々な議論がある。ただ、今の議論は全て人権優先だ。従って、制限された議論しか、初めから想定されていない。これでは教育の真理を究めることは不可能だ。全てのタブーを払拭し、議論することから始める必要がある。戸塚氏の主張には是非耳を貸して頂きたい。



戸塚教育“YES”か“NO”か

広島 草莽女性塾

 "戸塚ヨットスクール"の戸塚宏。私達の脳裏に焼き付いている名前です。16年前のマスコミと世論による戸塚叩き、それは現代の「魔女狩り」とも言えるものでした。
 当時、戸塚ヨットスクールは、情緒障害児と言われている子供達に、時として体罰の伴うヨット訓練を通し、「自力で生きる」厳しさを教え、立派に社会復帰をさせるものとしてマスコミからスポットを当てられていました。しかし昭和57年に不幸にして死亡事故が起き、マスコミは一転して"戸塚宏は殺人鬼"とまくし立てました。世論も死亡の報道に目をむき、体罰はタブーと非難し、そのまま封印されてしまった戸塚教育…。しかし今なお入校希望者は跡を絶たないと言います。
 この事実は何を物語っているのでしょうか。戸塚教育によって何百人もの子供達が、逞しく社会に巣立って行った事実は、報道されませんでした。またも私達は、マスコミの一方的な報道に翻弄されていたのでしょうか。


何が正しく、何が間違いだったのか

 今、日本の若者は病んでいます。目はうつろ、表情は乏しく、非行に不登校、まさに情緒障害児が街に溢れています。何時いかなる時でも教育の専門家やカウンセラー達は、「子供の自主性を尊重し」「叱るより誉めて」「体罰より話し合いで」「愛が全て」と繰り返し唱えるばかり。それに共鳴し支持してきたのは私達母親であったように思います。
 しかし現実には、子供達の荒廃は益々エスカレートし、親も教師もどこをどう直したらよいのか解決策が一向に見つかりません。これは、まさしく座標軸を失った今の社会現象です。このままでは国の将来も危ぶまれます。
 あの時、戸塚教育に対し「これでもか」と批判ばかりを繰り返してきた実践なき評論家達に比べ、信念を貫き、今も着実に成果を挙げている戸塚教育。このギャップはどういう事なのか?戸塚教育をマスコミと一緒になって封じてきた事に間違いはなかったのか?私達は、今更ながら重大な誤りに「ハッ」と気が付きました。
 多くの経験と実績から「私が直す」と信念を持って教育する戸塚流教育とは?
 今、封印されたままの扉の鍵をあける時が来たようです。何が正しく、何が間違いだったのか必ずや答えが見つかる筈です。



これでいいのか日本は!

「支援する会」名古屋  車木 大介

 たとえばあなたは、毎年4トンから4トン500もの麻薬を日本の青少年をターゲットに密輸出してくる某国があることをご存知ですか?そんな国に対しても低姿勢に、しかも食糧援助までしなければならないのは悲しすぎます。国家の五大柱である、国防・外交・経済・治安・教育の全ての面で、今の日本は寂しい限りです。いまや国家再建の道は、50年先を睨み、青少年を教育していくしかありません。
 昨年10月、我々は地元名古屋で「支援する会・中部地区の集い」を催しました。これには実に百十余名の方が集まり、戸塚校長の話に多くの方のご賛同を得ました。今後、我々は、本当に戸塚教育を理解し、日本再生のために行動して頂ける方を、じっくり増やしていくつもりです。
 新しい年に、全国の支援者の皆さん、大いに吠えようではありませんか!



戸塚先生との出会い

東京  渡邊 秀明

 私が中学の講師を始めて7年。その間、常に憤りを感じていたことは、教師が生徒に本音で叱れないということです。
 教育の荒廃が騒がれて久しくなりますが、その原因の1つに、生徒を強権で指導できないということがあります。現場では体罰は絶対に禁止です。もし、注意をしても改めない生徒を、指導のために叩いたとします。するとその生徒は親に言い、親は教育委員会に言い、そして校長・教頭から現場の教師に指導が来る。ひどい時には、校長と担当教師が、生徒の両親へ謝りに行くこともあります。これでは、どんな教師でも本当の教育などできなくなって当然です。
 また、教師が行った体罰を、あたかも極悪人のなした暴力のように書き立てるマスコミにも、大きな問題があります。
 悪いことをしたら、それを叱り、罰を与える。これは当たり前のことです。この当たり前のことをしないため、何でもありという風潮が生まれ、教育荒廃につながっているのが現状です。こんな閉塞状態の中、私も暗中模索を続けていました。


「本物」に気づこう!

 そんな折、昨年の7月、先輩より『こんな輩が子供をダメにする』(戸塚宏著)という本を教えられました。最初は懐疑心を持ちつつ読み始めた本ですが、「体罰をタブー視して教育が荒れた」「体罰と暴力は違う」という辺りを読んで、「これは本物だ」と思わず声をあげました。8年も前に現在の社会状態を予測し、洞察された戸塚先生の眼力に敬服しました。さらに、私が常々感じていた見解と全く同じであったことに、強い勇気と感動の念を抑えられませんでした。
 すぐに先生の連絡先を調べ、それから「支援する会」を知り、9・10・11月と東京のセミナーに参加しました。先生の教育に対する理論はとても素晴らしい、これは、私だけの問題ではなく、もっと多くの人々に立ち上がってもらう必要がある、と切実に思いました。そこで、急きょ仲間に声をかけ、先生を呼んで12月に高輪区民センターでの特別講演を催しました。
 後日、集まった仲間に感想を聞き、「本当に良かった、本物だ」「実践があるから説得力がある」「我々も行動していかなければいけない」「人生に自信が持てた」などという賛辞を得ました。さらに、皆が口々に言ったのは、「マスコミで流されている人物像とは大きな違いがある」ということ。
 これにより、戸塚先生の実像をもっと多くの人に知ってもらう必要があると、再度確認しました。微力ながら、今後も私はあらゆる方面に働きかけていくつもりです。



◆ T Y S ニ ュ − ス ◆

▽石原知事が、「脳幹論」を力説!

昨秋(平成11年秋)行われたシンポジウム(テーマ「戦後教育の功罪と再興」)で、パネラーの石原知事が戸塚擁護論を展開して下さいました。(雑誌「正論」1月号より)

石原氏『…私は戸塚ヨットスクールの戸塚氏を支援する会の会長を今でもしている。不幸な事件で誤解されたが、彼はローレンツというノーベル賞をもらった動物行動学者の言を踏まえています。彼は「子供のころ肉体的な苦痛、試練に遭ったことのない人間は成長してから必ず不幸になる」と。
 脳の一部である脳幹は非常に大事な部分で、怖いと思うとハッとし、楽しいことがあると笑う、人間が人間として生きていくために一番大事な脳の幹です。彼は厳しい訓練でそこを鍛えようとしたのです。現代では甘やかしによって、この脳幹がどんどん耐性を失いやせていっている。子供のころからテレビを見て、ゲームばかりをやると大脳の刺激が多く、脳幹はたくさん実のなったりんごの木みたいに支えきれずに折れてしまうからです。つらいアルバイトをさせるとか、肉体的な苦痛に耐えていく習慣をつけないと、勉強で負けて「よしやってやるぞ」と発奮するエネルギーが脳幹に蓄積されていかないのです。…』


▽昨年の後半から、戸塚校長の講演会が各地でさかんに開かれました。7月は東京、8月は名古屋(経営者漁火会)、9月は熊本、11月に再び名古屋(「支援する会」中部地区)と大阪(八尾ロータリークラブ)、12月に千葉(青山英語学院)、東京、そして本年1月15日に広島(草莽女性塾)などです。聴講者は10〜500名と、大小さまざまでした。

そして、本年8月28日(月)に、広島で西村真悟氏との合同講演会も予定されています。


○ 編 集 後 記 ○

▼初めての編集作業に手間取り、寄稿して下さった方々や、イラストを書いて下さった郡山様に多大なご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。それでも快く応じて下さいました皆様方に、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。

▼半年間で、入校の問い合わせが30件くらいあったでしょうか。その内入校に結びついたのが3件。後の人はなぜ入校しなかったのか。
入校金三百万円が高いと感じる人は多いようです。しかし、子供の未来にはそれ以上の価値があるはず。
最近の入校相談は20歳以上が多くなっています。仕事を転々としているうちに家にこもるようになり、生活は昼夜逆転。身内以外の者とは口も利かず、夜中にコンビニへ。あるものは酒に溺れ、あるものは女に溺れ、機嫌が悪いと親にあたる。
彼らはいきなりそうなったわけではありません。小さい頃から不登校気味で、カウンセラーや精神科にかかっていた者も多くいます。もし、その頃にヨットスクールに預けていてくれれば…。
校長は言います。「年を取れば取るほど、直りは遅くなる。そして、小学校の内にトレーニングした者のようには善くならない」と。
今、全国に12万人以上の不登校児がいます。彼らがまた、自立できない大人になっていくのを見るのはつらいことです。情緒障害問題で悩む大勢の方々に、子供の未来のため、是非、決断する勇気を持って頂きたいと思います。

▼沖縄合宿が始まっています。とにかく海がきれいです。皆様方の合宿も受け付けていますので、どうぞお気軽に。

(眞美)



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